【実験レポ】製菓用米粉の違いについて
harunicoの「米粉ナチュラルおやつアドバイザー認定講座」で使用している富澤商店さんの製菓用米粉。
これと同じように使える米粉として、
共立食品さんの「米の粉」と
ミズホチカラ を紹介していますが、同じように作ることはできますが、でも実際に作ってみると多少のでき映えが違ってきます。それを実験してみました。
今回比較対象した粉は、
①富澤商店の製菓用米粉
②共立食品 米の粉
③富澤商店のミズホチカラ(製菓用)
④cottaのミズホチカラ(製菓用)
です。
まずは吸水実験をしてみました。
どれも同じように見えますが、実際に触ってみるととろみや軽さが違います。
一番水分を吸わないのは富澤商店の製菓用米粉でした。
次にこの4つの粉で実際にマフィンを焼いてみました。
粉が違うだけで、使用する材料の分量はどれも一緒です。
実際にマフィンを焼いてみるとどれも焼けるのは焼けるのですが、生地感が違うのでふわふわ感が違いました。
水分をよく吸うとマフィンは固くなってしまいます。(焼きたてはふわふわしていますが、時間が経つとだんだん固くなってきます)
また味もそれぞれ違いますが、これは好みの問題で、どれも美味しく食べることができました。




同じ製菓用でもそれぞれ特徴があることが実験から分かりました。
harunicoでは、一般的な富澤商店の製菓用米粉を使用しています。それには理由があって、全国どこからでもネット通販で購入することが出来るという点もありますが、ロットごとに品質のブレがないブレンド米粉だからという点が大きいです。
ミズホチカラという米粉は、元々パン用に適した米粉ということで品種改良された米でできた米粉です。ミズホチカラはお米の品種の名前で、産地は九州産が多いですが、最近では様々なところで栽培されています。
大手製粉メーカーの熊本製粉さんが、「製パン用のミズホチカラ」を製粉・販売されているのが有名ですが、実は熊本製粉さんはPB用にしか「製菓用ミズホチカラ」を製造していないそうです。(熊本製粉さんのHPでは、この製菓用ミズホチカラは販売されていません)
富澤商店さんで販売しているミズホチカラ(製菓用)は、熊本製粉さんの製造と明記がしてありますので、熊本製粉さんによるPB商品だということが分かります。
ですが、cottaさんで販売しているミズホチカラの製造元を確認することはできませんでした。実際に使用してみるとでき映えも違うことから、富澤商店さんで販売しているミズホチカラ(製菓用)とは別の商品であることが分かります。
米の品種は一緒でも、どこでどのように製粉しているのか?によって粉の特徴は異なります。
小麦でも様々な粉にブランド名がついていますが、例えば菓子用薄力粉で一番有名な「ドルチェ」
ドルチェは、北海道の江別製粉が北海道産の小麦をブレンドして「ドルチェ」の品質基準に製粉したものです。
なので、「ドルチェ」と名前がついている小麦粉は基本的にはどこで買っても同じ小麦粉です。
(江別製粉さんに確認したところ、販売元で再パッケージをしたり、ロットが違ったりすると多少異なることがあるそうです)
米粉でいうと、昔から有名な「リファリーヌ」という新潟製粉さんの粉がありますが、これは小麦のドルチェのような感じで、色んな米をブレンドして、「リファリーヌ」の品質基準で製粉してある新潟製粉さんの米粉です。
富澤商店の製菓用米粉もブランド名こそついていませんが、これと同じように品質基準を統一して製粉されている米粉なので、ロットによる品質の違いというのはほとんどありません。
ですが、ミズホチカラという米粉は米の品種の名前なので、その米粉がどこでどのように製粉されているかによって品質基準が異なりますし、ロットごとで多少品質基準がぶれたりすることがあります。
(具体的には、吸水率がロットによってちょっと違うことがあります)
ミズホチカラを購入するときは、どの製粉会社のものなのか?を確認して買うことをおすすめします。
さらに実験をしてみました。
米粉ナチュラルおやつアドバイザー認定講座のパウンドケーキのレシピで、粉だけ買えて、他の材料分量などは同じで焼いてみました。



左から
富澤製菓用米粉
共立 米の粉
富澤ミズホチカラ(製菓用)
です。
共立の米の粉は、気泡が大きめで一番高さがでました。ふわふわ感があります。
富澤のミズホチカラは、全体的に気泡が詰まっていて、高さはでません。ですが、しっとりしています。
その真ん中をいくのが、富澤商店の製菓用米粉です。
劣化の感じもことなり、
米の粉は、翌日あたりからボロボロとする感じ。
富澤ミズホは、外側から離水する感じ(パサパサする)
この3種類の中では、富澤が一番劣化が遅いと感じました。
でもどれもそれぞれ特徴があって、美味しく食べることができます。口に入れたときの食感はこの気泡の入り方によって随分と印象が変わるので、一番パウンドらしいのは富澤ミズホだと思いました。やっぱり全体的に真ん中をいくのが富澤製菓用でした。
実際に焼いてみて分かることは多いですが、どれが正解か?ということではなく、自分の好みは何なのか?どんな風に焼きたいのか?どんな味にしたいのか?によって材料の選び方もレシピも変わってきますね。
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