粒度とデンプン損傷率(リアル米粉学・後編)

今日は、リアル米粉学・後編「粒度とでんぷん損傷率」についてです。

前編では「吸水率」の話をしました。
まだ読んでいないかたはこちらから

吸水率は、米粉の粒の大きさ(粒度)とでんぷん損傷率に関わってきます。

一般的に、吸水率が低い米粉は「微細粉末ででんぷん損傷率が低い」
米粉になります。

 

 

 

 

この写真でいうと左が吸水率が低いので、粒子が細かくてでんぷん損傷率が低い米粉です。
右の米粉は、粒子も粗くでんぷん損傷率が高い米粉になります。

なので、
吸水率が低い=粒度が小さい(細かい)=でんぷん損傷率が低い
ということになります。
これが一般的に使われている「製菓用・製パン用米粉」になります。

 

 

 

 

 

 

こちらは粒度とデンプン損傷率の違いの検証です。
粒度の細かい米粉ですが、どれも粒度とデンプン損傷率が少しずつ違います。
見た目では分かりませんが、同じレシピで同条件で焼いた場合、ふんわり感や生地のボリュームの出方に差がありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↑同じ米粉で水分量だけを変えて焼いてみた結果です。
左は1倍の豆乳、右は1.5倍の豆乳です。

この結果から分かることは、前編でお見せした

こちらの検証結果は、でんぷん損傷率が高い、吸水率の高い米粉だったため、
1.7倍もの豆乳を入れると、どっしり重たくベットリとした仕上がりになりました(写真上)

ですが、でんぷん損傷率が低い米粉の場合、1.5倍もの豆乳を入れてもベットリすることはなく、どちらかというと1倍のときよりふんわりと仕上がっています。

 

 

 

このように、お菓子やパンを作るときは、でんぷん損傷率というのがとても大事になってきます。
ただ細かい粒子の米粉というだけではなく、その中でもでんぷん損傷率が低い米粉の方が、ふんわりと理想的な仕上がりに適した米粉ということになります。

 

 

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